「琵琶湖」それは約670平方kmを誇る日本最大の湖であり、関西の水源を牛耳る命の源だ。
その歴史は長く、約400万年前に形成され、日本最古の湖かつ世界中で20ほど存在する古代湖のうちの一つとされている。60種を超える貴重な固有種を内包しているなど、人類の生活、発展以外にも自然環境を育む上で正に命の源と表現して差し支えないだろう。
その琵琶湖には琵琶湖を一周する「ビワイチ」というルートが存在する。これは国土交通省が定める自転車のナショナルサイクルルートとされているが、ライダーの間ではバイクのツーリングルートとしても有名だ。
総距離はおよそ200kmに及び、琵琶湖大橋を境とした北側ルートと南側ルート、そして南北完全走破ルートの大きく3ルートが存在する。
今回は静謐なひとときを過ごせる約150kmの北側ルートを紹介しよう。
【ルート紹介】
1.琵琶湖大橋
2.道の駅 竜王かがみの里
3.第2なぎさ公園(BIWAKOモニュメント)
4.かねふくめんたいパークびわ湖
5.藤ヶ崎龍神社
6.ラ コリーナ近江八幡
7.彦根城
8.長浜城(長浜城歴史博物館)
9.道の駅 湖北みずとりステーション
10.二本松の浜
11.白髭神社
12.スパリゾート 雄琴あがりゃんせ
ツーリングを記録するならRiserアプリ!
琵琶湖ツーリングスポット「日帰りで堪能できるビワイチルート」
琵琶湖といったらココ「琵琶湖大橋」
まずは湖西道路を使い、真野ICにて降りて琵琶湖大橋へ向かう。
■営業時間:24時間営業 ■定休日:なし ■駐車場:-
琵琶湖大橋は、滋賀県大津市と滋賀県県守山市の間で琵琶湖を二分する、橋梁部の全長約1400m橋だ。有料道路となっており、通行料は大型含む自動二輪車が100円、ETC利用で80円、125cc以下は10円となる。
琵琶湖はこの橋を境に北側が「北湖」または「太湖」と呼ばれ、南側は「南湖」と呼ばれている。また、ビワイチの南北ルートを分ける基点ともなっており、琵琶湖へ来たからには欠かせないスポットだ。
琵琶湖大橋有料道路の一部であることから、バイク通行時に橋上でバイクや景色を撮影することはできないが、湖西側橋下に位置する「道の駅 びわ湖大橋 米プラザ」へ寄れば壮大な琵琶湖大橋を撮ることが出来るだろう。
国道ステッカー8号「道の駅 竜王かがみの里」
■営業時間:9時00分~17時00分 ■定休日:月曜日 ■駐車場:あり(無料)
道の駅竜王かがみの里は、滋賀県竜王町の国道8号線沿いに位置する道の駅だ。周辺の地はかつて東山道、中山道で栄えた宿場「鏡の宿」があり、牛若丸(源義経)が元服した地と言われている。
ここでは国道ステッカー「国道8号」を販売している。この国道8号は、新潟県新潟市中央区から滋賀県栗東市を経由して京都府京都市下京区に至る、総延長598.2 kmと全国7位長さを誇る国道だ。
同接するレストランでは近江牛を使用したハンバーグメニューが充実しており、ツーリングの途中にがっつりと体力を回復することもできる。
数少ない一桁代の国道ステッカーのため、近くを通った時はぜひ集めてみるといいだろう。
ビワイチの起点「第2なぎさ公園(BIWAKOモニュメント)」
■営業時間:24時間営業 ■定休日:なし ■駐車場:あり(無料:もりやま美崎公園駐車場)
ここはビワイチには絶対に欠かせないスポット、琵琶湖モニュメントがある自然公園だ。
この公園はビワイチの始発点でもあり終着点ともされており、BIWAKOモニュメントはその象徴的モニュメントとなっている。そのためビワイチの案内地図や、サイクルルートとしての自転車銅像もある。
また、ベンチが設置されているため、引いては寄せるを眺めながらビワイチに想いを馳せのも良いだろう。ただし、自然に身を任せていたら気がつくと時間が立ってしまうので、ビワイチ出発前にビワイチを終了させないよう注意が必要だ。
珍味、明太ソフトクリーム「かねふくめんたいパークびわ湖」
■営業時間:平日9時30分〜17時30分、土日祝9時00分〜18時00分 ■定休日:年中無休 ■駐車場:あり(無料)
めんたいパークは明太子の老舗かねふくが運営する明太子専門テーマパークだ。
「来て楽しい、知って楽しい、食べて楽しい」をテーマとしており、館内遊具や明太子工場、出来立て明太子直売所やフードコーナーなど様々な面で楽しめる充実した施設となっている。
ツーリングの休憩に明太ソフトクリームを手に、びわ湖サンセットテラスで雄大な琵琶湖や比叡山を眺めるのもいいだろう。
厳かなる致景「藤ヶ崎龍神社」
■営業時間:24時間営業 ■定休日:なし ■駐車場:あり(無料)
藤ヶ崎龍神社は、近江八幡の琵琶湖湖岸にある龍神が祀られた知る人ぞ知るパワースポットだ。
龍は古来より水を司る神様として祀られており、琵琶湖が中心に位置する滋賀県にもってこいの存在だ。
この辺りは静けさに包まれ、松や露出した岩肌も相まって厳かな時間が流れる。琵琶湖のさざなみ音と厳かかつ神秘的な空気に支配された空間は、正しく古来から続く日本の侘び寂びを表現した致景と言えるだろう。
また、付近の湖岸緑地岡山園地や牧水泳場にあるベンチに座れば、厳かかつ至高の時間を過ごすが叶うだろう。
まるでジブリに迷い込んだかのような菓子店「ラ コリーナ近江八幡」
■営業時間:9時00分~18時00分 ■定休日:なし ■駐車場:あり(無料)
ラ コリーナ近江八幡は、老舗和菓子店「たねや」、そしてバームクーヘンで有名なたねや洋菓子部門「クラブハリエ」のフラグシップ店だ。
「自然に学ぶ」をコンセプトとしており、草におおわれた建物や森への小道、そして施設中央にはのどかな田園風景が広がるなど、一歩足を踏み入れるとまるでジブリの世界に引き込まれたかのような感覚に包まれる。
敷地の広さはなんと甲子園球場およそ3個分もあり、草屋根の施設毎にどら焼き、カステラ、バームクーヘンなどの売店やカフェが区分けされている。
カフェでは焼きたての「たねたカステラ」などを食べることができ、草屋根から滴り落ちる雫を眺めながら優雅にカステラとホットのアールグレイティーを飲む、そんな和洋折衷の風情を味わうことも可能だ。
琵琶湖ツーリングのお土産やプレゼントは、ここで購入するといいだろう。
琵琶湖に佇む国宝「彦根城」
■営業時間:8時30分~17時00分 ■定休日:なし ■駐車場:あり(有料)
彦根城は1622年に井伊直継、井伊直孝によって建てられた姫路城などとともに「天下の名城」の一つに数えられる城だ。また、月明かりに浮かび上がる壮麗な彦根城は、「琵琶湖八景」の一つともされている。
明治時代の廃城令や戦火を免れ今もその勇壮な姿を残しており、城内は重要文化財の宝庫で天守や櫓は国宝に指定されている。この場内を散策しながら観光できるのも魅力の一つだ。
栄枯盛衰の城「長浜城(長浜城歴史博物館)」
■営業時間:9時00分~17時00分 ■定休日:月曜日 ■駐車場:あり(3時間以内無料:豊公園駐車場)
長浜城はかの有名な天下人、羽柴秀吉(豊臣秀吉)が最初に築いたお城であり、秀吉の城下町経営の基礎を醸成した土地だ。
地震などにより一度廃城されたが、1983年に犬山城や伏見城をモデルに天守が復興され、市立長浜城歴史博物館として運営されている。
また、廃城の際に長浜城の大手門を移築したものが彦根城にある特殊な櫓「天秤櫓」だともいわれており、関係を巡るお城巡りにもピッタリなスポットだろう。
奥琵琶湖の絶景とご当地グルメ「道の駅 湖北みずとりステーション」
■営業時間:9時00分~18時00分 ■定休日:なし ■駐車場:あり(無料)
道の駅 湖北みずとりステーションは、自然豊かな湖畔公園の湖北水鳥公園内にある道の駅だ。
透明度の高い奥琵琶湖の土地柄多様な水鳥が訪れる地として知られ、その湖北の魅力を発信する道の駅として名付けられた。
館内にはレストランがあり、びわ湖の固有種のうちとくに美味とされる「琵琶湖八珍」をはじめ、長浜の郷土料理を基としたここでしか味わえないオリジナルグルメが展開されている。
また、湖岸では数多の水鳥が戯れ、「日本の夕日百選」にも選ばれた長浜の湖面に映える美しい夕陽を眺めることができる。
琵琶湖のバイク撮影はここで「二本松の浜」
■営業時間:- ■定休日:- ■駐車場:なし
二本松の浜は、奥琵琶湖に位置する琵琶湖とほぼ0距離の浜だ。
奥琵琶湖の水は琵琶湖の中でも群を抜いて澄んだ水となっている。隣接する道の西浅井マキノ線は琵琶湖の真横を走っているので、その澄んだ琵琶湖とバイクを一枚の写真に残すことができる。
キャンプ水泳場もあるため、漣に浮かぶ竹生島を眺めながら寛ぐのもいいだろう。
伝説の湖中大鳥居「白髭神社」
■営業時間:9時00分~17時00分 ■定休日:- ■駐車場:あり(無料)
白髭神社は、琵琶湖の湖中浮かぶ大鳥居が拝める神社だ。
この神社はその名の通り延命長寿・長生きの神様として知られ、縁結び・子授け・開運招福・学業成就・交通安全・航海安全など、人の営みごと・業ごとすべての「導きの神」ともされている。
大昔から白鬚明神前の湖中には鳥居があったと伝えられ、室町時代の屏風絵「近江名所図」や、江戸時代に描かれた当社の縁起絵巻にも湖中の鳥居が描かれているという。この鳥居が実際に建てられたのは1937年の寄進によるもので、現鳥居は1981年にこれを建て替えたものだが、古くから言い伝えられている伝説の鳥居が拝める神社だ。
琵琶湖の温泉といえばココ「スパリゾート 雄琴あがりゃんせ」
■営業時間:10時00分~0時00分 ■定休日:- ■駐車場:あり(無料)
スパリゾート 雄琴あがりゃんせは敷地内に湧く「美肌の湯」・「大湖の復活」の2種類の自家源泉と、琵琶湖の絶景を望める琵琶湖湖岸のスーパー銭湯だ。
ビワイチは琵琶湖が見やすい左回りが一般的でその向きに周ると最後に来るスポットとなっており、バイク用駐輪場やバイクブーツが入る下駄箱もあるため、ビワイチ最後にもってこいの温泉となっている。
大露天風呂・つぼ湯・寝ころび湯・ジェット風呂・電気風呂・日替わり風呂など豊富な温泉が用意されており、ロウリュサービス付き高温サウナ・女性限定の塩サウナ・琵琶湖展望のバレルサウナとサウナもまた豊富にある。
また、館内には琵琶湖を眺めながらリクライニングチェアやマッサージチェアでくつろげる休憩処、和食・焼肉・イタリアンの3種類を選べるお食事処もある。こってり京都ラーメンの「天下一品」が運営する温泉だが、お食事処ではラーメンを提供していないのがまたポイントだ。
まさにビワイチの締め括りにピッタリなスポットだろう。
ツーリングを記録するならRiserアプリ!
魅力的なスポットあふれるビワイチ
琵琶湖、それは日本にいれば知らない人はいないと断言できるほど有名な日本最大の湖だ。
その大きさ約670平方kmと、約590平方kmの淡路島がスッポリと収まるほど広大な面積を誇り、湖岸に立てばまるで海のように対岸が水平線の先に見える。ライダーにとって一周というものはツーリングルートとして組みやすく、島一周はもちろんのこと、この広大な琵琶湖一周もまさにツーリングルートとして最適なものだろう。
そこで私も1ライダーとして、ビワイチというものを行ってみた。ちなみに実際は南北完全走破ではなく、交通量などを考慮した琵琶湖大橋より北側の北湖一周ルートだが、これもまたビワイチであることに変わりはないため問題ない。ツーリングとは楽しんだもの勝ちなのだ。
ビワイチを始めるとまず感じるのが琵琶湖の壮大さだ。富士五湖一周など私もよく湖一周を行っていたが、琵琶湖はまるで海と言っても過言でないほどの壮大さをその五感で実感する。
その壮大さ故にビワイチには様々なスポットがあり、ルートを進むと通りすがりに初めて知ったスポット、事前に調べていたがスポットの多さから回れなかったスポットなど、ビワイチには魅力が溢れている。特に湖北方面は車通りも少なく、琵琶湖の澄んだ空気の中爽快に駆け抜けることができバイクの代名詞である走行面でも満足ができた。ツーリングの最後には温泉に浸かり、ツーリングや日々の疲労を洗い流すことができるのもポイントだろう。
実際に走行した結果、琵琶湖は「走」・「景」・「食」、そしてリラックスを示す「休」の全てを堪能できる至高のツーリングスポットであり、その湖岸を周るビワイチは完成された一つのツーリングルートだということがわかった。「沢山の魅力に触れたい、しかし宿泊伴うロングツーリングをしている時間の余裕がない」というときは、是非ともビワイチを選んでみるといいだろう。
ツーリングを記録するならRiserアプリ!
つながる&ライド 共同ライドを計画し、近くの最適なルートを発見。同じ趣味を持つバイク好きとつながり、団体ライドのために集まりましょう。あなたの経験を共有し、他の人々を参加するように奨励しましょう!
この記事へのコメントはありません。