湘南百景。
関東屈指のシーサイドロードには青春と絶景が待っていた。海に囲まれた日本だから、海沿いの道なんて珍しくない。でも湘南は特別だ。こんなにカッコいいシーサイドロード、ほかにはないだろう。
走って爽快、見て感動、食べて満足の湘南。「実は行ったことないです……」というバイク女子YouTuber、ぴの子さんとツーリングしてみた。今回の旅のスタートは逗子から。逗子マリーナ周辺は街路樹が南国風で気分が上がる!
まずは、今回行ったツーリングスポット16個を紹介!
まとめ●モーターサイクリスト編集部 photo●平島 格
※本記事はモーターサイクリスト2024年7月号に掲載されたものを再編集しています。店舗情報、商品価格などは当時のものとなります。
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湘南ツーリングスポット「鎌倉〜七里ヶ浜〜江の島のシーサイドを行く。」
マーロウ逗葉新道店「逗葉新道近くのプリンの名店」

神奈川県を中心に12店舗あるプリン屋さん。こだわりの卵と牛乳を使ったしっかり固めの焼きプリンがガラス製のビーカーに入っている。甘さ控えめ、カラメルは大人の味。カスタードプリン756円、チョコレートプリン842円。逗葉新道店の観光案内看板は必見!
■神奈川県三浦郡葉山町長柄1296-6 ■営業時間 10:00~19:00
カフェ ヨリドコロ「おいしい朝食を」

鎌倉周辺には朝食を食べさせるお店がちらほらあるが、中でもお薦めなのが「カフェヨリドコロ」。7〜9時があさごはんタイムで、数量限定の干物定食は1000円〜。干物もおいしいが、卵の白身をホイップして自作するふわふわ卵かけご飯も必食。お店スレスレを江ノ電が通過するようすも面白い!
■神奈川県鎌倉市稲村ガ崎1-12-16 ■営業時間 7:00〜18:00(火曜定休)
神社龍口明神社「鎌倉エリア最古の神社」

腰越海岸から陸の方に2kmほど、西鎌倉近くの住宅街の中に鎌倉エリアで最古と言われる龍口明神社(りゅうこうみょうじんしゃ)がある。創建は552年。五頭龍大神(ごずりゅうおおかみ)を祭り、江の島の江島神社とは夫婦神社の関係。駐車場あり。
■神奈川県鎌倉市腰越1548-4
七里ヶ浜「散策の基地にぴったりの人気エリア」

七里ヶ浜は防波堤の上が広大な駐車場になっており、バイクは無料で止められる。江の島も富士山も見えるから、のんびり海を眺めたり、砂浜を散策するのもいいかも。パシフィックドライブインのほか、周辺にはお店や観光ポイントが多数ある。ここを基地にすると便利!
パシフィックドライブイン「おしゃれなハワイアンでひと休み」

七里ヶ浜海岸駐車場にあるおしゃれな建物が目印。ロコモコやガーリックシュリンプなどハワイアンランチプレートのほか、パンケーキも人気。写真は今月のパンケーキ(1480円)とハイビスカスレモネード(770円)。見た目もステキ! テラス席でのんびりしたい
ただし、この辺りではトンビが食べ物を狙っている…要注意!
■神奈川県鎌倉市七里ガ浜東2-1-12
■営業時間:8:00〜20:00(ラストオーダーは19:00)
駐車場にある映えスポット。上には地獄の足つぼエリアも!

江の島大橋を渡ってドン突きまで行けばバイクを止められる駐車場がある。そこには「Enoshima Yacht Harbor」と青い文字で大きく書かれた防波堤があり、その前で写真を撮るとカッコいい! 上に上ると足つぼエリアがある。かなり痛いけどスッキリしますよ。
また、四輪用の江の島なぎさ駐車場の隣にある、江の島西緑地駐輪スペースは、基本は原付や自転車などの小型バイク用。大型バイクは奥の臨港道路付属駐車場を使おう。
江の島大橋
江の島に渡るには江の島大橋を通過する。正面に江の島、左手は海が広がり、クルマが少なければ気分爽快。歩行者用の江の島弁天
橋が隣にある。江の島行きは2車線、本土行きが1車線。無料
島童子 (しまわらし)「名物のしらす丼は必食」

湘南名物といえば何といっても生シラス! 特に4 ~ 6月の春シラス、9 ~ 11月の秋シラスは相模湾ならではの限定品。生シラス専用の醤油をかけると、ほのかに香るニンニク風味。これがまた相性抜群で食欲そそる。釜揚げとは違ったピチピチの味わいをぜひ! 写真は生しらす丼(お新香、あら汁付きで1400円)
■神奈川県藤沢市江の島1-6-8 ■営業時間 11:00〜17:00(平日)、 11:00〜20:00(土日祝)
サザンビーチちがさき「サザンの街、”茅ヶ崎”探険」

サザンオールスターズの歌にもよく出てくる茅ヶ崎にある、サザンの名前が使われた砂浜。バイクを止めるスペースもあるので立ち寄りやすい。「烏帽子岩」も見える。意外と小さいんですね。またモニュメント「茅ヶ崎サザンC」は縁結びの輪として知られているとか!?
茅ヶ崎で出会った徳弘さん。長年乗っているという1982年製のホンダFT400は各所がカスタムされていて、まさに相棒という感じ。「この辺はふらっと走っても気持ちがいいね」。御年78歳で湘南までツーリングとは、お元気すぎます!
砂まじりの134号

江の島から西の国道134号は、防砂林に遮られて海が見えない。それでも2車線になるから走りやすい。ただし、路肩は砂まじりなので注意。写真は134号に架かる「一中えぼし岩歩道橋」から見た夕日と富士山。湘南には、至る所にこんな絶景スポットも潜んでいるのです。
バイク王 茅ヶ崎 絶版車館

筑波に続く2つめの絶版車館。こちらは1990年代のバイクを中心にそろえているため、実際に買いやすいラインアップになっていた。見ているだけでも楽しいぞ。
■神奈川県茅ヶ崎市下町屋1-10-26
■営業時間:10:00~19:00(平日)、 10:00~19:00(土日祝)
湘南を彩る「江ノ電」

七里ヶ浜〜腰越の辺りの国道134号は、海岸と江ノ電に挟まれている区間。タイミングが合えば併走することも。スラムダンクで有名になった鎌倉高校前の踏切は、平日でも観光客でにぎわっているので通行するときは注意。
湘南平から湘南を一望

大磯から陸側に5㎞ほど入った所にある高台が湘南平で、高麗山公園ともいう。ここには展望台が2つも建っていて、三浦半島からの湘南全域を見渡せる。眺めのいいレストランもある。
サザン通りのサザン神社
茅ヶ崎は桑田佳祐の故郷であり、その歌詞にもたびたび登場。駅から海に続くサザン通り、そのすぐ近くのサザン神社(取材時は閉まっていた)、曲名にもなったラチエン通りなど、ゆかりのスポットも多く、まさに聖地となっている
披露山には猿もいる

三浦半島側にある眺めのいい高台。こちらからも江の島や湘南エリアを眺められる。この披露山公園は眺めがいいだけでなく、ニホンザルや鳥などが飼育されているのも特徴。周囲には豪邸が建ち並ぶ超高級住宅街もある。
潮騒の稲村ヶ崎「1日の終わりを告げる」

サザンの歌にも出てくる稲村ヶ崎。こちらからは江の島、富士山がきれいに見える。特に夕焼けに浮かび上がる風景は感動モノ。赤くきらめく波打ち際も美しい。旅の締めにぜひ立ち寄ってみてね。
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湘南のおすすめツーリングロードと“ぴの子の感想”
湘南はどこにある?
湘南は、何となく青とか白とかそんなイメージがある。とにかく海があって明るいんだろうなぁという印象だ。後は、鎌倉とか江の島とか、観光名所がたくさんある地域で、混雑しているんだろうな、と思っていた。
私は行ったことがなかったけれど、湘南はツーリングの目的地としても人気のエリアだ。それにしても、みんななぜ湘南に行くのだろう。きっとバイク乗りを魅了する何かがあるに違いない。
そもそも、どこからどこまでが湘南なのか? 広義には湯河原から三浦までの相模湾全域を指すらしいが、一般的には大磯辺りから葉山くらいまでを湘南と呼ぶのではなかろうか? いろいろと論争もあるようだが、今回は、東側の逗子葉山エリアから大磯方面に走ってみることにした。
東京から首都高や横浜横須賀道路、逗葉新道を乗り継ぐ。有料道路を下りて、少し走るともう海だ。緑の森の中から青くきらめく海が見えるとそれだけで少しときめいてしまう。
逗子に寄り道してみると、南国風の街路樹と海外のリゾートに建っているようなマンションがお出迎えしてくれた。東京から1時間ちょっとなのに、ずいぶん別世界に来た感じがする。
海と空の広さに感動
国道134号を西へ向かうのは、その方が車線一本分だけ海が近いからだ。材木座の先、滑川の交差点を右折すれば、鶴岡八幡宮に続く鎌倉のメインストリート。神社仏閣も嫌いじゃないけど、今回のテーマは湘南。右折したい気持ちを我慢して直進する。ここはもう由比ガ浜だ。
国道134号の鎌倉〜江の島区間は防波堤など視界を遮るものがなく、海を近くに感じられる。真横からの潮風を受けながら走るのはとても気持ちがいい。空も開放的だ。このままずっと走っていたい気分。湘南に集まるライダーたちの気持ちが少し分かってきた。
稲村ヶ崎の切り通しになっている所を抜けると再び海が広がる。そして、江の島が見えてきた。さらに富士山も! 湘南で富士山が見えるなんて思ってもいなかったから、一瞬目を疑ってしまった。この富士山、湘南エリアのどこからでも見える。さらに時間ごとにいろいろな表情を見せてくれるので、いつ写真を撮っても映える!
お薦めは七里ヶ浜の駐車場。バイクも駐車できるし、おしゃれなドライブインもあって休憩にぴったり。この辺りはバイクを止める場所を探すのがちょっと大変だから、ここを基地にして散策するのもいいかもしれない。
昭和な小径を抜ければきらめく海が待っていた
江の島の商店がたくさん並ぶ弁財天仲見世通りは平日でも人がいっぱい。「岩本楼」という宿の角を右に入ると、昭和な雰囲気の狭い小径になっており、そこを抜けると海に出る。そのシチュエーションがとってもエモく、ショート動画でもよく紹介されている!
江の島には、おいしいグルメや観光スポットがたくさん。中には「湘南デニムストリート」なる店もあり、岡山・倉敷のデニムのほか、デニムまんやデニムソフトもあった!
湘南エリアのランドマークと言えばやっぱり「江の島」だ。バイクを止める場所もあるので安心して訪れられる。国道134号から江の島大橋を渡って江の島へ。橋を渡るというイベントがあるだけで、「ついに来たんだ〜」と気分が盛り上がっちゃいませんか?
江の島は周囲4㎞ほどの島で、日本三大弁天のひとつである江島神社や展望台の江の島シーキャンドル、ライトアップでも知られる江の島サムエル・コッキング苑など見どころが恐縮されている。
七里ヶ浜でのんびりしてしまったから、もうお昼どき。名物しらす丼やイカの丸焼きを食べて、参道や海辺の岩場を散歩して、江島神社にお参りしたら2時間くらいたってしまった。今回は行かなかったけど島の反対側まで歩いて行けるみたいだし、夜はライトアップがきれいらしい。全部回ればきっと一日中楽しく過ごせそう。釣りもできるみたいだから、次回はぜひチャレンジしたい!
平日だったにもかかわらず国内外からの観光客で大にぎわい! 参道は「お祭りなのかな?」と思ったほどで楽しい雰囲気がいっぱいだった。でも、これが休日だったらと思うと、ちょっと大変かもしれない。もし休めるのなら、平日に行くことをお薦めします!
改めてわかった、湘南ツーリングの魅力。
江の島から西の国道134号は防砂林に阻まれて海が見えなくなってしまう。でも、その隙間からちらちらと青い海がのぞけるので淋しくはない。車線も増えてびゅんと走れる。そのまま西に行くと茅ヶ崎に着いた。茅ヶ崎と言えば、ビーチ、烏帽子岩、サザンオールスターズ。ビーチの名前は当然のようにサザンビーチ。駅の方にはサザン通りもある。
ちょうどサザンファンの親子がバイクで来ていた。「インカムでサザンを聞きながら、サザンゆかりの地を巡っているんです。この辺りは景色もいいし名所もたくさんあるし、走っても気持ちがいい。最高です」と湘南を満喫しているようす。ツーリングっていろいろな楽しみ方があるんですね!
最後は湘南平展望台から今日走ってきたエリアを振り返る。すてきなシーサイドライン、おしゃれなドライブイン、名所凝縮の江の島……。葉山からここまで約30㎞ほどの距離の中にたくさんのスポットがあった。湘南は距離感もコンテンツの量も、関東エリアからの日帰りツーリングにぴったり。さらに今回はできなかった釣りツーリングや鎌倉神社仏閣巡り、海沿い以外のエリア探訪など、もう一度湘南を訪れる理由も見つかった。実際に走ってみて、こりゃライダーが集まるよねと実感できた今回のツーリングでした。
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