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私は神社が好きだ。
神社は神聖な空気に包まれ、自然の静寂に身を任せることができる。日常の喧騒から身を離れ、木々のざわめきや川のせせれぎなどに身を寄せ、無の時間を堪能できるのだ。
忙しなく動く世間に踊らされる現代において、正しく至高の空間と言えるだろう。
そして、神社の中でも自然に閉ざされた秘境に佇む神社は、当然のことながら自然の奥深くに眠る。自然をかき分けた先にあるのだ。無謀にも酷道と呼ばれるような道を探索した先にある神秘は、何者にも変え難い感動を与えてくれるだろう。
今回は京北からそんな自然の奥底に佇む神社とそれに至る酷道等ピックアップし、オススメなスポット9選として紹介しよう。
【ルート紹介】
1.国道477号
2.道の駅 ウッディー京北
3.山國神社
4.賀茂神社
5.京都大原三千院
6.貴船神社
7.上黒田貴船線(京都府道361号)
8.灰屋の滝
9.道の駅スプリングスひよし(温泉)
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京北ツーリングルート「酷道を掻き分け秘境神社へ」
山間の探検酷道「国道477号」

■営業時間:- ■定休日:- ■駐車場:-
国道477号は、三重県四日市市から兵庫県川西市を経由して大阪府池田市に至る一般国道だ。
今回のルートで紹介したいのは酷い状態の国道、通称「酷道」として有名な京都府内の一部区間である。
亀岡市旭町山ノ神の三俣交差点から京都市左京区大原小出石町の県道367号に突き当たるまでの区間は、途中杉林の中を縫うように走る退避場所の少ない離合困難な隘路や舗装が劣悪な箇所がある。
特に有名所となっている鋭角カーブの交差点「百井別れ」や、極めて急でかつ舗装が劣悪な「百井峠」など、悪路を楽しむのも良い。
この区間を走っていると時折杉林の間から木漏れ日を浴びることができ、時には川に沿ってガードレールのない道を走るなど大自然の中を探検するかのように走ることができるだろう。
鹿の角も買える「道の駅 ウッディー京北」

■営業時間:9時00分~18時00分 ■定休日:年末年始 ■駐車場:あり(無料)
道の駅 ウッディー京北は、京北地域及びその周辺の山間地域の活性化を目指す活動を行っている京都市初の道の駅だ。
木で彩られた館内では、京唐菜や京ラフラン等の新京野菜をはじめとした地元で採れた新鮮な旬の野菜や、京唐菜のソフトクリーム、木のぬくもりを活かした木工品など、地域の特色を活かした品々が販売されている。喫茶コーナーでは、西の鯖街道ならではの「鯖そば」など、地元の京北野菜を使った料理を楽しむことができる。
少し奥の部屋には鹿の剥製も展示されており、迫力満点の鹿の角を購入することもできるだろう。
また、ここでは国道ステッカー「国道477号」の販売も行っているので、国道ステッカーを集めている方はチェック必須だ。
京都の自然200選に選ばれる参道「山國神社」

■営業時間:- ■定休日:- ■駐車場:あり(無料:河川公園)
賀茂神社は、平安遷都にあたりこの郷を御杣御料地(木材を切り出す所)と定め、宝亀年間(770年~780年)に建てられた神社だ。
明治維新の際、官軍「山国隊」が出陣の誓いをなした社とも言われている。
この光景は「京都の自然200選」の一つにも選ばれており、石灯籠に石畳、境内の杉木立は、上桂川の清流を挟んで背景に広がる北山杉の林と相まって山国地域の象徴的な景観を形成している。道路に面しているため、この光景にバイクを足して写真を撮ることも可能だ。
付近の地名が「鳥居」であることも特徴の一つだろう。
知る人ぞ知る幻想郷「賀茂神社」

■営業時間:- ■定休日:- ■駐車場:あり(無料)
賀茂神社は京都の中心地から大きく離れた山中にある、絶景で有名な神社だ。
社殿は田園風景が広がる中江集落背後の山中にひっそりと佇み、入口は獣害防止柵に閉ざされ知る人ぞ知る秘境スポットとなっている。
苔むした石段の参道が杉並木を割るように鳥居へと一直線に伸びており、木々茂る静寂の中木漏れ日が神々しく参道を照らし、辺り一面に凛とした空気が漂う正しく秘境という言葉を表したかのような絶景となっている。
行きの参道はもちろん、神社から振り返り帰り道となる「戻りの参道」も優れており、社殿に参拝したあとに参道を振り返ると、狛犬、灯篭と、永遠に続くかのような杉並木が立ち並び、和風異世界に迷い込んだかのような心地に包まれる。冷厳あらたかを体現したかのような場所だ。
獣害防止柵先の山道横に砂利の駐車場があるが、斜面となっているのでバイクを駐車時は注意が必要だ。
苔と季節のコントラスト「京都大原三千院」

■営業時間:9時00分~17時00分 ■定休日:年中無休 ■駐車場:あり(有料:三千院前有料駐車場 バイク200円)
京都大原三千院は、京都市指定名勝となっている絶景庭園で有名な天台宗の寺院だ。
その起源は8世紀、比叡山延暦寺を建立の際に梨の木の下に結んだ庵が始まりとされ、移転を繰り返しながら1200年もの時を刻み続けている歴史的な寺院である。
敷地内には庭を眺めながら抹茶を嗜める池泉観賞式庭園の「聚碧園」と、杉やヒノキが一面苔に覆われた庭に立ち並ぶ池泉回遊式庭園の「有清園」があり、苔と季節の景観のコントラストを楽しむことができる。
聚碧園の池に面した赤い絨毯の茶席に腰を掛けてしまえば、美味しい抹茶と茶菓子、美しい緑に魅了され、動くことが出来なくなってしまうだろう。
貴船川に面する絶景灯篭道「貴船神社」

■営業時間:5/1~11/30 6時00分~20時00分、12/1~4/30 6時00分~18時00分 ■定休日:年中無休 ■駐車場:あり(有料:本宮駐車場・奥宮駐車場 800円)
貴船神社は、石階段と立ち並ぶ灯篭で有名な水神を祀る神社だ。
その起源は5世紀頃と言われ、古くより祈雨の神として信仰、縁結びの神としても信仰されている。その一方で縁切りの神や呪咀神としても信仰され、丑の刻参り発祥の地ともされている。
貴船山と鞍馬山に挟まれた森林鬱蒼とする山峡、貴船川沿いに鎮座するため、厳かで神秘的な空気で満たされている。私は神社巡りを趣味としているが、その中でもトップクラスに清澄な雰囲気を体感し好んでいる神社だ。
また紅葉の名所としても有名で、石階段と立ち並ぶ灯篭に青紅葉・紅葉で彩られた山道は、すべての人を虜にする絶景だ。この参道にて無人写真を撮ろうと考えられている方は、大抵2〜3時間は粘らなければならないので覚悟して向かおう。
川床と腐道の探検道「上黒田貴船線(京都府道361号)」

■営業時間:- ■定休日:- ■駐車場:-
上黒田貴船線は、貴船神社一の鳥居から国道477号との交差点まで伸びる約16kmの一般府道だ。
この地は古くから気の生ずる根源として「氣生根」と記され京都屈指のパワースポットとされており、秘境感あふれる神秘的な道となっている。
貴船神社付近には、「川床」と呼ばれる川面のすぐ上に用意された床にて川のせせらぎや滝の流れる音を聴きながら鮎や鱧など旬の料理を楽しむ飲食店が並んでおり、それを横手に貴船の雰囲気を楽しみながら走ることができる。
また貴船神社奥宮から京北へと続く山肌沿いの道は、「府道ならぬ腐道」とも呼ばれる有名な走行困難道となっており、酷道マニアにはとても楽しめる道になっている。とはいえ腐道と頭に残しながら走れば走行困難というほど荒れた道ではなく、快適に楽しめる道だ。
山奥に隠された秘境「灰屋の滝」

■営業時間:- ■定休日:- ■駐車場:なし
灰屋の滝は、京都市右京区を流れる桂川上流部の灰屋川に懸かる落差4mの斜瀑だ。
滝壺が広く、水面化が見渡せるほどとても澄み切った水で、少し遠目に見るととても綺麗なエメラルドグリーンの滝となっている。
背後に苔むした堰堤が立ち人工物と自然が合わさった様は、まるで忘れ去られた遺跡のような秘境感を醸し出す。山奥の道外れにあることも合わさり、まさに知る人ぞ知る秘境と言える。
また駐車場はなく路駐するには道が狭いスポットとなっている。そのためバイクを停める際は場所を選ぶが、滝少し南の堰堤上近くにある灰屋林道石碑前にスペースがあるためそこに停めると比較的に安心して滝へ向かえるだろう。

滝壺へ降りる際はその石碑から100m程北の地点カーブ先に電柱と赤白ポールに挟まれた獣道のような小道があるので、そこから入り降りることができる。ただそこそこ斜度のある道となっており、使うことはないと思うが最後は鎖場ともなっているので、足元に気をつけて滑落には注意しよう。
ツーリングの最後は温泉で「道の駅スプリングスひよし(温泉)」

■営業時間:10時00分~21時30分(最終受付21時00分) ■定休日:水曜日 ■駐車場:あり(無料)
「道の駅 スプリングスひよし」は、京都府南丹市日吉町の日吉ダム直下にある天然温泉のある道の駅だ。
日吉ダムと桂川に隣接し、キャンプ、天然温泉・プールや岩盤浴、道の駅の野菜直売場やスーベニール、レストラン、BBQ、体育館など豊かな自然を愉しむことのできるキャンプ&スパリゾートとなっている。
温泉は陽の湯、月の湯の二つが用意されており、陽の湯は奇数日が男性用で偶数日が女性用、月の湯は奇数日が女性用で偶数日が男性用となっている。陽の湯は壺湯と森林浴サウナ、月の湯はうたた寝の湯とアロマロウリュサウナが用意されており、共通で露天岩風呂やジェット浴などが用意されている。
温泉の後はレストランで空腹を満たすも良し、テラス席で手ぶらBBQを楽しむも良し、デイキャンプでゆったりするも良しな、楽しみのたくさんあるスポットだ。
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秘境スポット溢れるスポット、京北

神社仏閣といえば、皆、京都が思い浮かぶだろう。旅行ではアクセス性の優れる場所にスポットが当てられるため、伏見稲荷神社や清水寺等の中心街から電車にて向かいやすい観光地が人気だ。
しかしながら、バイクツーリングではその真逆が求められる。交通の混雑が考えられるスポットは避けられ、快適に走ることができるスポットが好まれるのだ。
その点、京北は正に好条件のスポットだろう。
京都でありながら中心街から向かうにはいくつもの交通機関を乗り継ぐ必要があるため、不快な渋滞に道を遮られる心配をせずとも良い。それでいて昔ながらの京都らしい、侘び寂びを感じられる自然と神社仏閣の風情を楽しむことができるのだ。
そして、そのような京北は移動時の道も楽しむことができるスポットだ。
ここでいう道とはワインディングではなく、酷い状態の走行困難な道を捩った「酷道(国道)」や「腐道(府道)」だ。通常忌避されがちな酷道だがそれは利便性を重視した場合の話であり、バイクでの走行そのものを楽しむツーリングでは寧ろ冒険心をくすぐる楽しめる道となっている。
山奥の神社仏閣や冒険道、これらを併せ持つ京北は、これぞ秘境といった土地だ。
このルートは貴船神社や大原三千院といった有名どころから賀茂神社や灰屋の滝などの知る人ぞ知るスポットまで幅広く網羅することができ、その移動道中も満足感満載な神社・酷道メインの秘境ルートとなっている。特にこのルートを組む際、ありきたりなルートではなく、知る人ぞ知る珍しいルートを意識した。
これを見たあなたも知る人ぞ知る秘境を訪れ、自身が好む特別なルートを練ってみるのはいかがだろうか。
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