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金曜日の仕事終わり、バイクで向かうは大阪南港。一晩の船旅を楽しみ、朝日とともに愛媛へ上陸。仁淀ブルーやUFOライン、朝ドラ「らんまん」主人公ゆかりの越知町、佐川町など、愛媛〜高知は話題のスポットがよりどりみどり。そして夜には東予港からのフェリーに駆け込み、一晩休んだらそこは大阪南港。まだ日曜の早朝だ。そんな、忙しいようで実は効率的な旅を紹介する。
今回のスポットはこちら
- 大阪南港フェリーターミナル
- にこ淵
- 仁淀川の沈下橋(片岡沈下橋・名越屋沈下橋)
- 浅尾沈下橋
- 高知アイス売店 仁淀川カフェ
- レストラン高知
- 名教館
- 佐川文庫庫舎
- 司牡丹・酒ギャラリーほてい
- 池川茶園 工房cafe
- ラーメン自由軒本店
- 道後温泉
- UFOライン
- 四国カルスト
レポート●廣瀬達也 写真●平島 格
※本記事は2023年にモーサイに掲載されたものを再編集しています。記事内で紹介しているフェリーの運行時間や、商品の価格は当時のものです。
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目覚めれば、そこはもう四国「寝ている間に愛媛へ!」
22時に大阪南港を出港する東予港行きオレンジフェリーの乗船時間は、20時頃と早めだ。つまり出港2時間前には乗船できてレストランや大浴場をゆったり楽しめる。船室が全て個室というプライバシー重視の船内は静かで落ち着いており、リラックスできる雰囲気にあふれているのも新鮮だった。
やがて静かに出港した船は大きな揺れを感じることもないまま瀬戸内海を西へと進み、いつしかぐっすりと深い眠りへ誘われて……。おかげで翌朝、四国に到着する頃にはすっかり気分爽快、元気いっぱいになっているのだった。
オレンジフェリー最大のメリットは運航スケジュール。大阪を夜に出て、愛媛県の東予港へは早朝6時に到着。東予→大阪便も22時の出港だから、単純計算で14~15時間は四国を走り回れる。これだけあれば日帰りでもかなり広範囲を巡れるし、もちろん余裕のあるルート設定でのんびり旅だって可能だ。
フェリーの部屋は全て個室だから睡眠の質と量も問題なし。フェリーをホテル代わりに使えるオレンジフェリーは、愛媛や高知ツーリングのアクセス手段として非常に効率的なのだ。
大阪南港フェリーターミナル

●大阪南港発→東予港行き
乗船可能時刻 20:00〜
出発時刻 22:00
到着予定時刻 6:00
船内休憩 7:00まで
●東予港発→大阪南港行き
乗船可能時刻 20:00〜
出発時刻 22:00
到着予定時刻 6:00
船内休憩 8:00まで

大阪南港フェリーターミナル。愛媛の東予港行きオレンジフェリーの乗船可能時刻は20:00〜。

フェリーに乗り込むときは、なぜかいつもドキドキ。

大阪南港から東予港を結ぶオレンジフェリーは、夜発・朝着。フェリーをホテル代わりに使って、効率よく四国をツーリングできるのだ。そして東予から日帰りで行けるエリアには、走りどころ、見どころが満載。今、旬のエリアと言えるだろう。
にこ淵の奇跡のようなブルーに時間を忘れて
さて今回の一番のお目当ては、仁淀ブルーの名所として知られる“にこ淵”。愛媛県の東予港から約50kmほど。約1時間も走れば着いてしまう。国道11号など東西に走る幹線道路の交通量は多めだが、立ちはだかるようにそびえる笹ヶ峰や瓶ヶ森など四国山地へ向かう国道194号を行き交うクルマはまばら。急峻な山並みに続く道の勾配はやや急で、さらに適度に曲がりくねるワインディングロードは退屈する間のないほどの快走路だ。そして寒風山トンネルを抜ければ、もうそこは高知県である。
にこ淵は仁淀川の支流である枝川川にある滝つぼで、光の当たり具合によって色彩が変化する仁淀ブルーの名所中の名所。太陽が高い位置に来る季節の正午前後が特に美しいと言われるが、それに限らず滝や滝つぼ、それらを取り囲む木々の雰囲気には神秘的なたたずまいがある。地元の人が聖地と崇める理由も感じられるのだった。
東予港から近すぎるという贅沢な悩みを抱くなら、さらに国道を南下した所に位置する名越屋や、アニメ映画「竜とそばかすの姫」に登場し聖地となっている浅尾など仁淀川に掛かる沈下橋を先に巡って時間稼ぎするのもいいだろう。
にこ淵

仁淀ブルーの名所「にこ淵」は神秘的な色彩の変化を見せる。
仁淀川の沈下橋

仁淀川に架かる片岡沈下橋。

名越屋沈下橋は高知市からも比較的近い。

仁淀川の最下流にある名越屋沈下橋。
浅尾沈下橋

浅尾沈下橋。取材時(2023年2月)は残念ながら工事中だった。

浅尾沈下橋は、アニメーション映画「竜とそばかすの姫」の聖地。山の麓のひな壇のように集落が点々と立ち並ぶ風景が何とものどかな雰囲気を漂わせる。週末ともなると撮影の順番待ちができるほど人気らしい。
高知アイス売店 仁淀川カフェ

いの町にある「高知アイス売店 仁淀川カフェ」。土佐ジローのたまごを使ったソフトクリームは濃厚! 高知県吾川郡いの町柳瀬上分807-1。

高知アイス売店 仁淀川カフェ店内。仁淀川を眺めながらリラックスした時間を過ごせる。

高知アイス売店 仁淀川カフェの絶品ソフトクリーム。濃厚な味わい!
NHK連続テレビ小説「らんまん」ゆかりのレトロな町へ

ここまで来たら桂浜などのある高知の町に立ち寄るのももちろんオススメだが、今回は“オムライス街道”という気になる名前に引かれて日高村へ。フルーツのように甘いトマトを生産していることから、「トマト=ケチャップ=オムライス」という図式で日高村の名物となっている。お店によって味や見た目の異なるオムライスがある。今回は、レストラン高知のオムライスを頂いて大満足!
オムライス街道のほかにも、2023年に放映されたNHK連続テレビ小説『らんまん』で主人公のモデルとなった天才植物学者・牧野富太郎ゆかりの高知県佐川町や越知町にも立ち寄る。
牧野富太郎の出身地である佐川町は、古き良き時代の雰囲気が残る味わい深い町だ。彼にゆかりのある施設も多く、早くも盛り上がりを見せていた。
ほかにも、関東からも多くのお客さんが訪れるという仁淀川町の人気スイーツ店「池川茶園 工房cafe」などを巡り、最後は愛媛の道後温泉にまで足を伸ばしてしまった。
早朝に東予港から走り出し、丸一日ツーリングを満喫して、夜の乗船時間には再び東予港へと戻ってこられた。オレンジフェリーならではの贅沢で効率的なツーリングと言えるだろう。
今回の、大阪を夜に出発して早朝に愛媛に到着するオレンジフェリーを利用した愛媛/高知の最旬スポット巡りの走行距離は約220km。コースには、仁淀ブルー、にこ淵、いくつもの沈下橋、「らんまん」ゆかりのスポット、そして地元の特産物を生かした美味しい食べ物、さらにUFOラインや石鎚スカイラインにも匹敵するような山岳ワインディングまであり、バイクでの旅を十分に楽しませてくれた。
大阪南港を目指すフェリーの中では、「東予港を起点にしてまだまだいろんなコースを四国に描けそうだ」と次のツーリングを企んでいると、丸一日ツーリングを楽しんだ体を心地良い揺れが包み込み、いつの間にか深い眠りへと誘い込まれてしまうのだった。
レストラン高知

「レストラン高知」、高知県高岡郡日高村岩目地713 。

日高村オムライス街道には工夫を凝らしたオムライスを出す店が数軒ある。写真はレストラン高知の「南国土佐のオムライスセット(1480円)」。ふわトロの卵と地元産トマトのマリアージュがたまらない一皿。

仁淀川町で出会ったシュガートマト。とても甘くて美味しすぎる!
名教館

牧野富太郎も学んだ「名教館」。読み方は「めいこうかん」。高知県高岡郡佐川町甲1510。

高知県はNHKの朝ドラ「らんまん」の舞台! 研究に打ち込んだゆえに波乱万丈の人生を送ることになった牧野富太郎氏。写真は名教館にあったパネル。胸像や関連施設の建築計画も進んでいるという。
佐川文庫庫舎

明治時代のレトロな建築物も残る。「佐川文庫庫社」(旧青山文庫)。高知県高岡郡佐川町甲1473。

天才植物学者の牧野富太郎氏。
司牡丹・酒ギャラリーほてい

「酒ギャラリーほてい」はお酒と雑貨の店。高知県高岡郡佐川町甲1299。

佐川町をバイクで探索。
池川茶園 工房cafe

「池川茶園 工房cafe」は、仁淀川町の茶農家の女性たちが立ち上げたスイーツ店。茶畑プリンや茶畑ティラミスなどお茶を使ったスイーツを味わえる。遠方からもお客さんがやってくるという。高知県吾川郡仁淀川町土居甲695-4。

「池川茶園 工房cafe」の茶畑プリンと茶畑ティラミス。
ラーメン自由軒本店

「自由軒」みそカツラーメン。スープは意外とあっさり味でカツとの相性も良好、箸が止まらなくなる。

「自由軒」は国道からそれた山深い一角にあるからこそ味わえる“秘境ラーメン”だ。高知県高岡郡越知町野老山市ヶ谷丁2882。
道後温泉

松山の名所・道後温泉。令和7年までの予定で改装中で一日の入場者を制限中。

旅の〆は道後温泉でゆったり。通りの反対側にある施設で疑似入浴体験の記念撮影が可能。
愛媛・高知は絶対走りたい絶景ルートが密集!
UFOライン

四国山地の稜線沿いを走る、いの町道瓶ヶ森線(UFOライン)はダイナミックな山岳風景が魅力。全長約27kmでさらに西へ進めば今度は石鎚スカイラインの山岳風景を堪能できる。
四国カルスト

国道440号の地芳峠から東へ進めば現れる四国カルストは、台地に突き出した、まるで羊にも見える石灰岩が延々と点在するのどかな高原風景が楽しめる。例年4月頃までは冬季閉鎖。
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